千早とアイマスとニコマスと

主についったーに生息するがいすととかいう人の日記だったはずが気づいたらSSとか

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美希のこと

当初の混乱はだいぶ収拾してきましたけど。
ちょっと千早が心配だったので久しぶりに書いてみた。えすえす。
無駄に千早とPの絡みが多いぞ、とかいう突っ込みは禁止ですw



「…というわけで、美希君は今月末をもって765プロを退社、961プロに移籍することになった。
 すでに美希君とそのプロデューサーには了解を得ている。」

今日の朝礼で社長が、こんなことを言った。
突然の移籍。
美希の人生は美希のもの。私が、口出しすべきではない。
そんなことは、分かっていた。
でも。それでも。それでも。

「…くっ!」
「千早」
「あ、プロデューサー…」
「…美希の、ことか?」
「……はい。プロデューサーは、あれで納得を?」
「反対はしたさ。どんな影響があるか、俺だって怖いよ」

プロデューサーはそう言って、まっすぐこちらへ向き直る。

「でも…俺は、765プロの皆を信じたい。
 千早だって、そうだろう?」
「それは…そう、思います…。でも…!」
「…」
「でも、でも…! 」

つい、声が大きくなる。…この人のことは、困らせたくないのに。

「恐い。私、恐いんです。」
「恐い?」
「そう、恐い。美希が、離れていくのが。
 やっとたどり着いた、私の居場所。
 積み上げてきた歴史。絆。
 やっとここまできたのに。
 それなのに、また、私の手から滑り落ちていく…。」
「千早…」

美希だけじゃない。分かっていた、はずなのに。
春香たちや、それに私だって、ずっと今のままでいられるわけじゃない。
もちろん今聞いてくれている、この人だって。
そこまでは口にできずにうつむく。

と、肩に、熱を感じた。暖かくも力強い、プロデューサーの手。

「千早」
「な、なんですか…」
「千早、俺は、どこにもいかないよ。」

プロデューサーの目は、まっすぐ私を見てくれている。
その目を、その曇りのない目を、私も、見つめ返す。

「俺はずっと、千早のそばにいる。いさせてほしい。」
「う…」
「どうしても、それだけは、もう一度伝えたい。
 だから、安心してほしいんだ。」
「…」
「迷惑か?」
「そんなこと、あ、ありませんっ!」

もちろん口では何とでも言える。
客観的に見れば、さっきまでと何も状況は変わっていない。
それでもそんな単純な言葉が、うれしかった。

「止まった、な。」
「え?」
「震えてたぞ、肩。」
「え……、あ……う…。」

この人は、やっぱりちゃんと私を見てくれている。

「あの、プロデューサー」
「何だ?」
「あ、ありがとう、ございます。」
「…俺は、自分の気持ちを言っただけだ」

さっきまで私の肩に置かれていた右手を、ぎゅっと握ってみた。



「それで、千早」
「あ、すっすみませんっ!」
「あ、いや、離さなくても、いいんだけど」

もう一度握るのは恥ずかしいのでやめておく。

「それで、美希の、ことだけど」
「はい」
「何も千早のことが嫌いで移籍するわけじゃないと思う。」
「それは、そうですが…」
「俺も詳しいことは知らんのだが、な。」
「そうですか…」
「でも、ひとつだけ」

さっきと同じ、目。
まっすぐ、私のことを見てくれる、2つの瞳。

「あまり、決め付けて考えすぎないようにな。ゆっくり考えて、本人とも落ち着いて話してみることだ。」
「…そう、ですね。」
「それにな、千早」
「なんです?」
「実は俺、安心したんだ。今日の千早を見て。」
「安心?」
「そう、安心した。
 去年までの千早なら、内にこもって解決しようとしていたはずだ。
 『歌を聴いてもらうという私の目標には関係のないことですから』とか言って。
 そうやって、本当は苦しいのに、なかったことにしようとしたと思う。」
「それは…」

内心どきりとする。

『信じなければよかった』

過去の私なら確かに、そう考えてしまっていただろう。
そう、あのころの、私なら。

「でも今の千早は違う。悲しみに、きちんと向き合おうとしてくれてる。」
「そう、かもしれませんね…」
「もうすぐ挨拶に来るはずだ。美希のことを、信じてやってくれ。」
「…はい。」


――

プロデューサーの言うとおり、程なくして美希がやってきた。
「あー、千早さん、探したのー!」
「あ、美希」
「俺も美希のプロデューサーと話してくるよ」

そういって席を立つプロデューサー。
気を遣ってくれているのだろう。

「千早さん、あのね、ミキの移籍のこと、驚かせちゃってごめんなさいなの」
「いいわ。美希なりに考えて決めたことでしょう?」
「そうなんだけど…。うー。春香なんか泣いちゃって、大変だったの」
(春香…。)

それでもあの子は美希を、心からの笑顔で送り出せる。
なぜか、そんな気がした。でも、なぜ?

「千早さん、あのね、ミキ、千早さんにお願いがあるの」
「お願い?」
「そう、お願い。」

美希の目は真剣だ。そう、この子の目は、いつだって。

「あのね、ミキが移籍しても、仲間でいてほしいの」
「仲間…?」
「うん、仲間。ミキは765プロからはいなくなるけど、それで皆とバラバラになるのは、ヤ!
 移籍しても、一緒にトップアイドルを狙うライバルとして、友達でいたいの」
「美希…」
「こんなのミキのわがままだって、分かってる。でも、わがまま、聞いてほしいの」

ハッとした。
そうか。この子は。そして、春香は。
だから、笑顔で別れられるのだ。
事務所が変わっても、築いてきた信頼は、なくならない。
私は、そんな、簡単なことが。
それに気付けたから、私も、笑顔で。

「もちろん、いいわ。こちらこそ、友達でいさせてください」
「やったーっ!千早さん、ありがとうなの!」
「美希、私からもお願いしていいかしら?」
「うん、なんでもOKってカンジ」
「最後にもう一度、一緒に歌ってほしいの。『relations』。」



――

失われてしまうものだってある。
それなら、その都度心に焼き付けたい。
思い出の「relations」を歌いながら、そんなことを、思った。

(終)





アイドルたちの関係は実は大きくは変わらないと思うんだよね。
これまでも仲間でありかつライバルであったわけで。

ただ、美希とPの関係がどうなるのかがよく分からない。
これについては作中でも突っ込めませんでした。悪く言えばはぐらかしました。
そこだけが心配。「押してもだめなら引いてみな」ってなんだよ!
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