千早とアイマスとニコマスと

主についったーに生息するがいすととかいう人の日記だったはずが気づいたらSSとか

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

誕生日、おめでとう。

「おはよう、千早」
「おはようございます」
「改めて、誕生日、おめでとう。」
「…ありがとう、ございます。」

今日は千早の誕生日。小鳥さんの計らいもあって、仕事はオフをもらっている。
もちろん千早にもそのことは伝えてある。
それに。

「千早、どこに行きたいか、決まったか?」

どこでも、千早の行きたいところに連れて行ってやる。そう、約束していた。
一時期の異常なまでのストイックさは影を潜め、
最近は、時折女の子らしい甘えを見せるようになっていた千早。
そんな彼女への、ささやかなプレゼント。

「誕生日、どこか千早の行きたいところへ行こう。どこがいい?」
1週間前にそう尋ねたとき、千早は真剣に考え込んでいた。
以前の彼女なら「レッスン」と即答していたところだ。
この変化は成長と読んでいい、と思う。
そしてそのまま答えを保留されて迎えた、今日。千早の、誕生日。

「…どこにも、行きたくありません」
「待て待て、千早。これは俺からのプレゼントであって」
驚いて再考を促そうとする俺に、千早は微笑してかぶりを振った。
「プロデューサー、私…1日くらい、うちで、あなたと…ずーっと、一緒にいたい…です。いけませんか?」
そう言って、不安そうにこちらを見る。
「いけなくは、ない、けど…。本当に、それでいいのか?」
「もちろんです。その…」
「俺が側にいたらそれでいい?」
「…っ!そ、そういうわけでは」
冗談めかして言ったつもりだったが、千早は真っ赤になってうつ向いてしまう。



「本当に、これでよかったのか?」
「信じて、くれないんですか?」
「そういうわけじゃないけど」
「…しあわせ、です」
少し、恥ずかしいけれど。
「そ、か」
「こんなのわがままだって、わかってはいるのですが」
「かわいいちーちゃんのわがままならいくらでも聞くぞ?」
「…もうっ。」
悪い気は、しないけれど。
「悪い悪い、茶化さずに聞きます」
「ふふっ。まあいいです」
「ごめん」
この人は本当に申し訳なさそうな顔をする。
話しても、大丈夫。

「私、スケジュールのない日が、欲しかったんだと思います」
「スケジュールのない日、か」
「はい。わがままなんですけど」
「わがまま、かな」
「わがままです。毎日のスケジュールは、プロデューサーが私のために考えてくれたものですから。」
「それは、そうだが…」
「それは私が望んだこと。トップアイドルを、一流の歌い手を、目指すために。」
「うん」
「それなのに、スケジュールのない日が欲しいなんて。わがままです」
プロデューサーはにやりと笑う。
「そうか。確かに、わがままだな。千早は、わがままだ」
「はい。わがままなんです、私。プロデューサーが、気づかせてくれた」
「うん」
「それに、わがままでいてもいい、ということにも」
「うむ。但し、俺に対してだけにしてくれよ?」
「…はい」

話がそれてしまった。本当はもう少し、伝えたかったことが。
迷いから生じる、不自然な沈黙。
「続き、聞かせてくれるか?」
驚いて見上げると、2つの瞳がのぞきこんでいた。
「まだ喋り足りないって顔してる」
「え」
「違うか?」
「違い…ません」
プロデューサーは、目を逸らそうとしない。

「私…プロデューサーに、私のスケジュールのことじゃなくて」
「うん」
「私の仕事や、私のための外出のこと、それに、私の誕生日のことでもなくて」
「うん」
…しばしの沈黙。じっと、こちらを見つめているプロデューサー。

その瞳をもう一度確認して、決心した。言おう。


「あなたに、私のことだけを、考えていて、ほしかったから」


言った……!高鳴る鼓動に身を任せる。
顔が紅潮するのにも構わず、伝えられた満足感に浸る。
と、次の、瞬間。


唇が、重なった。


「プロデューサー…」
「考えてるよ。千早のことだけを」
涙を溜めて言うプロデューサーを見ていたら、
知らず、笑みが、こぼれた。
時が止まってしまえばいいのに――

2月25日。特別な日。
私の、誕生日。
太陽はまだ、空高くにある。
誕生日、おめでとう。…の続きを読む
スポンサーサイト
SS | コメント:2 | トラックバック:1 |
| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。